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検定結果・受検データ

初級(2016年11月)

合格発表(初級:2016年11月)

  • 初級・札幌(2016年11月)
  • 初級・釧路(2016年11月)
  • 初級・岩手(2016年11月)
  • 初級・千葉(2016年11月)
  • 初級・東京(2016年11月)
  • 初級・岐阜(2016年11月)
  • 初級・福井(2016年11月)
  • 初級・和歌山(2016年11月)
  • 初級・京都(2016年11月)
  • 初級・広島(2016年11月)
  • 初級・高知(2016年11月)
  • 初級・大分(2016年11月)

正解発表(初級:2016年11月)

解答

Q1 3 Q2 2 Q3 1 Q4 1、2、3 Q5 1、2、3
Q6 1 Q7 3 Q8 2 Q9 4 Q10 2
Q11 4 Q12 4 Q13 3 Q14 4 Q15 4
Q16 1 Q17 3 Q18 1、2、3、4 Q19 1 Q20 1

解説

2016年11月実施の初級検定において,正答率が7割以下の4問について以下のとおり解説します。
今後の学習の参考としてください。

Q1労働委員会による団交紛争の処理について,正しいものをひとつ選びなさい。
  1. 労働委員会は,団交の促進をあっせんすることはできない。
  2. 労働委員会は,不当な団交拒否に対して,損害賠償の支払いを命じることができる。
  3. 労働委員会は,組合員の解雇問題についての団交を命じることができる。
  4. 労働委員会は,不誠実な交渉態度の使用者に対して,交渉の妥結を命じることができる。
正解は3,正解率は49.75%でした。 団交拒否事件において労働委員会がどのような救済を命じうるかは,実務的には重要な問題です。和解ならば事案に応じた解決ができますが,命令になると一定の制約を受けます。労働委員会は,団交の促進を命じることはできますが,労使自治を尊重する立場からその妥結を命じることまではできません。また,団交事案に限らず,労働委員会は損害賠償の支払いも命じることができません。他方,裁判所は,団交権侵害を理由とする損害賠償の支払いを命じることができます。なお,労調法上の斡旋事件として団交の促進をすることはできます。
Q5以下のうち,法によって禁止されている解雇をすべて選びなさい。
  1. 女性であることを理由とする解雇。
  2. 労働組合の組合員であることを理由とする解雇。
  3. 産前産後で休んでいる労働者に対する解雇。
  4. 私傷病で長期間休んでいる労働者に対する解雇。
正解は1・2・3,正解率は69.11%でした。 法は,特に弱い立場にある労働者を保護するため,解雇が禁止される場面を特別に定めており,そのような労働者に対する解雇は無効となります。具体的には,女性であることを理由とする解雇(選択肢1・均等法6条4号),労働組合員であることを理由とする解雇(選択肢2・労組法7条1号),業務上の疾病や産前産後で休業中の場合の解雇(選択肢3・労基法19条)などが禁止されています。他方で,私傷病(業務外の疾病)で就業できないことを理由とする解雇(選択肢4)は禁止されていません。
Q8以下の労働者のうち,労働時間規制の適用を除外される者として,誤っているものをひとつ選びなさい。
  1. 農業・畜産・水産業に従事する労働者
  2. 年収1000万円以上で高度の職業能力を持つ労働者
  3. 部長や工場長などの労働条件の決定等に経営者と一体的な立場にある労働者
  4. 役員秘書などのような機密の事務を取り扱う労働者
正解は2,正答率は50.13%でした。 労働時間,休憩及び休日に関する規定について,労基法41条は,①農林・畜産・水産業に従事する労働者(選択肢1),②管理監督者又は機密の事務を取り扱う者(選択肢3,4),③断続的労働に従事する労働者を適用除外としています。これは,事業の性質,働き方の自由裁量度の高さ,または労働密度との関係などから,労働時間規制になじまない類型を適用除外としたものです。なお,一定の年収以上で高度の職業能力を持つ労働者(選択肢2)も労働時間規制の適用除外とすべきかが議論されていますが,長時間労働の助長につながるという批判もあり法制化には至っていません。
Q19以下の使用者の行為のうち,不当労働行為とみなされないものをひとつ選びなさい。
  1. 過労死になりそうな長時間労働
  2. 組合加入を理由とする出向命令
  3. 企業外組織であるコミュニティ・ユニオンであることを理由とする団交拒否
  4. 会社に苦情を言った組合員に対する処分
正解は1,正解率は54.56%でした。 不当労働行為は,組合活動や組合員であることを理由とする不利益取扱いや,組合活動に対する支配介入等の行為です。選択肢2は組合加入,選択肢4は組合員であることを理由とする不利益取扱いとみなされます。また,選択肢3のコミュニティ・ユニオンとの団交拒否も,当該組合に従業員が加入している限り不当労働行為とみなされます。他方,選択肢1は会社の「不当な行為」といえますが,組合員であることや組合活動を理由としていないので,不当労働行為とはみなされません。

受検者データ(初級:2016年11月)

1.正答率

Q1 49.75% Q11 88.73%
Q2 94.56% Q12 77.85%
Q3 92.53% Q13 87.59%
Q4 79.49% Q14 79.62%
Q5 69.11% Q15 75.82%
Q6 71.01% Q16 90.25%
Q7 88.48% Q17 82.15%
Q8 50.13% Q18 88.86%
Q9 81.77% Q19 54.56%
Q10 93.67% Q20 92.41%

2.合格者数・合格率

会場 受検者数 合格者数 合格率(%)
全 体 790名 631名 79.87
札 幌 31名 26名 83.87
釧 路 23名 18名 78.26
岩 手 64名 52名 81.25
千 葉 80名 57名 71.25
東 京 190名 166名 87.37
岐 阜 68名 60名 88.24
福 井 67名 55名 82.09
和歌山 47名 28名 59.57
京 都 127名 94名 74.02
広 島 48名 36名 75
高 知 22名 20名 90.91
大 分 23名 19名 82.61

2016年11月初級検定の平均点は15.88点でした。

初級(2016年5月)

合格発表(初級:2016年5月)

  • 初級・札幌(2016年05月)
  • 初級・旭川(2016年05月)
  • 初級・帯広(2016年05月)
  • 初級・港区(2016年05月)
  • 初級・千代田区(2016年05月)
  • 初級・神奈川(2016年05月)
  • 初級・新潟(2016年05月)
  • 初級・和歌山(2016年05月)
  • 初級・岡山(2016年05月)

正解発表(初級:2016年5月)

解答

Q1 2 Q2 1、3 Q3 4 Q4 1 Q5 1
Q6 3 Q7 1、2、3、4 Q8 3 Q9 2 Q10 1、3、4
Q11 4 Q12 4 Q13 3 Q14 2 Q15 1、2
Q16 2 Q17 1 Q18 2、3、4 Q19 2 Q20 1

解説

2016年5月実施の初級検定において,正答率が6割以下の4問について以下のとおり解説します。
今後の学習の参考としてください。

Q2次の使用者の行為のうち,不当労働行為とみなされるものをすべて選びなさい。
  1. 組合員に対する解雇
  2. 会社に苦情を言ったことを理由とする処分
  3. 少数組合であることを理由とする団交拒否
  4. 過労死になりそうな長時間労働
正解は①③,正解率は32.35%でした。 不当労働行為とは,組合活動を理由とする不利益取扱い,組合活動への支配介入,さらに組合との団交拒否が含まれます。したがって,組合員を対象としない処分(選択肢2)や長時間労働(選択肢4)は,たとえ不当であっても「不当労働行為」とはみなされません。一方,少数組合であっても独自の団交権が認められるので,それとの団交拒否(選択肢3)は不当労働行為と解されます。また,組合員に対する解雇(選択肢1)も原則として不当労働行為とされます。もっとも,解雇に正当な理由があり差別的でない場合には,不当労働行為とみなされないことがあります。
Q14労働条件の明示について,誤っているものをひとつ選びなさい。
  1. 使用者は,賃金や労働時間等の重要な労働条件を書面により明示することが義務づけられている。
  2. 使用者が労働条件を明示しなかった場合,その労働契約は直ちに無効となる。
  3. 実際の労働条件が明示された労働条件と異なる場合,労働者は労働契約を解除することができる。
  4. 求人票に示された労働条件は,当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなど特段の事情がない限り,労働契約の内容になる。
正解は②,正解率は61.22%でした。 労働契約は,当事者の合意によって成立する諾成契約です。使用者が書面での労働条件明示義務に違反した場合であっても,労働契約そのものは有効に成立しますので,選択肢2が誤りとなります。労基法は,労働条件を書面により明示することを義務づけています(同法15条1項,労基則5条2・3項)ので,選択肢1は正しいです。裁判例では,求人票に示された労働条件は,当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなど特段の事情がない限り,労働契約の内容になると解されていますので,選択肢4も正しいです。
Q17時間外・休日労働について,誤っているものをひとつ選びなさい。
  1. 会社が就業規則で土日祝日を休日と定めている場合,どの休日に出勤したとしても労基法上の休日労働割増賃金が発生する。
  2. 使用者が労働者に時間外・休日労働を命じるためには,36協定の締結・届出が必要である。
  3. 割増賃金を毎月20時間分の定額で支払っている場合,20時間を超えて時間外労働をした月がある場合は,使用者は労働者に差額分の割増賃金を支払う必要がある。
  4. 労働時間規制の適用除外とされる管理監督者に該当するかどうかは,肩書きではなく就労実態により判断される。
正解は①,正解率は50.43%でした。 労基法35条1項によると,休日は毎週少なくとも1回与えればよいとされ,土日祝日を休日と定めている場合,3日間のうちの1日が法定休日,それ以外は法定外休日と呼ばれます。労基法上の休日労働割増賃金が発生するのは,法定休日に労働した場合です。法定外休日と法定休日で同じ割増率としている会社もありますが,それは契約でそのように定めているものであり,労基法の規制とは区別されます。
Q20併存組合に対する使用者の中立保持義務について,正しいものをひとつ選びなさい。
  1. 従業員の過半数を組織している多数組合には,少数組合と比較して,労基法等による特別の権限が付与されている。
  2. 多数組合とのユニオンショップ協定があれば,少数組合員を解雇できる。
  3. 組合事務所を多数組合に貸与し,少数組合には貸与しないことは許される。
  4. 差し違え条件の諾否に由来する併存組合員間の労働条件上の差別は,各労働組合の自己選択の結果なので,不当労働行為とみなされることはない。
正解は①,正解率は27.83%でした。 使用者には,併存組合下において組合(員)間差別をしないという中立保持義務があります。これは,少数組合についても独自の団結権・団交権があることを意味します。したがって,ユニオンショップに基づく少数組合員の解雇(選択肢2)や,組合事務所貸与の組合間差別(選択肢3)は許されません。差し違え条件の諾否に由来する組合員間差別(選択肢4)は,労使関係において当該条件が持つ意味や誠実交渉のあり方から,不当労働行為とみなされることがあります(日本メール・オーダー事件・最3小判昭59・5・29民集38・7・802)。また,労基法においては,過半数組合に特別の権限を付与している例(選択肢1)が少なくありません(同法36条,90条等)。

受検者データ(初級:2016年5月)

1.正答率

Q1 81.91% Q11 91.83%
Q2 32.35% Q12 91.30%
Q3 79.83% Q13 83.30%
Q4 81.91% Q14 61.22%
Q5 78.78% Q15 82.43%
Q6 82.96% Q16 96.35%
Q7 77.57% Q17 50.43%
Q8 76.35% Q18 86.96%
Q9 83.83% Q19 76.87%
Q10 88.00% Q20 27.83%

2.合格者数・合格率

  受験者数 合格者 合格率
全 体 575名 410名 71.3%
札 幌 52名 41名 78.8%
旭 川 50名 31名 62.0%
帯 広 33名 17名 51.5%
東 京 202名 156名 77.2%
神奈川 30名 22名 73.3%
新 潟 59名 46名 78.0%
和歌山 55名 37名 67.3%
岡 山 94名 60名 63.8%

中級(2016年5月)

合格発表(中級:2016年5月)

  • 中級・札幌(2016年5月)
  • 中級・東京(2016年5月)
  • 中級・大阪(2016年5月)
  • 中級・福岡(2016年5月)

正解発表(中級:2016年5月)

解答

Q1 4 Q2 3 Q3 1、4 Q4 2、3、4 Q5 2
Q6 2、4 Q7 4 Q8 2 Q9 1、3、4 Q10 3
Q11 1 Q12 3 Q13 3、4 Q14 3 Q15 2、4
Q16 2、3 Q17 2、4 Q18 4 Q19 1 Q20 3
Q21 3 Q22 3 Q23 4 Q24 1 Q25 4
総合問題1 Q26 1、3 Q27 1、2、4    
総合問題2 Q28 1、3 Q29 1、2、3、4 Q30 3

解説

2016年5月実施の中級検定において,正答率が5割以下の5問について以下のとおり解説します。
今後の学習の参考としてください。

Q9休暇・休業について,誤っているものをすべて選びなさい。
  1. 休暇とは,労働義務を負っている「労働日」について使用者から労働義務の免除を得た日を指すので,法律上祝日とされている日について休暇が成立することはない。
  2. 計画年休制度を採用する場合,その旨を就業規則に規定する必要がある。
  3. 産前産後休業,生理休暇,育児・介護休業などの法定休暇は,労働者の権利として保障されたものであるので,使用者はこれらの休暇,休業中の賃金を保障しなければならない。
  4. 産前産後休業,育児休業については,女性保護の観点から不利益取扱いは禁止されるが,介護休業は男女いずれも取得可能なので,介護休業取得者への不利益取扱いは禁止されない。
正解は①③④,正解率は49.52%でした。 選択肢1は,法律上祝日と定められている日を出勤日としても1週間に1日休日を与えていれば労基法違反とはなりませんので,出勤日とされた祝日についても休暇が成立しうることになります。選択肢2は,「休暇に関する事項」が就業規則の絶対的記載事項であることを問うものであり(労基法89条1号),計画年休制を採用する場合はその旨を就業規則に盛り込む必要があります。選択肢3・4は,法定休暇中の賃金保障と不利益取扱い禁止の理解を問うものです。使用者は年次有給休暇を除き,法定休暇期間中の賃金支払義務を負いません。また,介護休業取得者への不利益取扱いも禁止されています(育介法10条,16条)。
Q13整理解雇の4要件(4要素)について,正しいものをすべて選びなさい。
  1. 倒産必至といえるほど財政が悪化していない限り,人員削減の必要性は認められない。
  2. 役員の報酬減額,遊休資産の処分がされていない限り,十分な解雇回避措置を講じたとは認められない。
  3. 50歳以上の女性のみを対象とする整理解雇には,被解雇者選定の合理性が認められない。
  4. 整理解雇に際して労働組合との協議を義務づける内容の労働協約が締結されていなかったとしても,会社は労働組合と協議すべき信義則上の義務を負う。
正解は③④,正解率は21.90%でした。 人員整理の必要性については,倒産必至といった高度な必要性まで要求されるものではなく,経営上の困難から人員削減が必要とされる程度で足りるとされていますので,選択肢1は誤りです。解雇回避努力について,解雇回避措置は配転・出向,希望退職の募集から,役員報酬減額,遊休資産の処分まで様々なものが考えられますが,使用者にすべての手段を尽くすことまで求められてはおらず,実現可能な最大限の努力が求められています。このため,役員の報酬減額,遊休資産の処分が必須とまではいえないので,選択肢2は誤りです。
選択肢3は人選の合理性,選択肢4は手続の妥当性に関するものであり,ともに正しいです。
Q24事例を読んで,XのY会社に対する次の主張のうち,法的に最も誤った内容を含んでいるものをひとつ選びなさい。

事 例
Y会社に雇用されているXは,A社長から些細な仕事上のミスを指摘され,叱責を受けた後に,「すぐ辞めないならば,懲戒解雇する。」などと言われたことから,感情的になって「こんな会社辞めてやる」と言って退社をしました。しかし,納得ができなかったXは翌朝出社して,A社長に「ミス自体は謝罪するが,辞めるつもりはない」と言ったところ,A社長は「辞めると言った以上,雇用を続けるつもりはない」と述べて,Xの就労を拒絶しました。これに対し,Xは次のように述べ,XY間の労働契約は終了していないと主張しました。

  1. 確かに,「こんな会社辞めてやる」とは言いましたが,A社長からの叱責は強迫といえます。
  2. 確かに,「こんな会社辞めてやる」とは言いましたが,ミスを理由とする懲戒解雇が有効なものと誤解していたので,錯誤にもとづくものといえます。
  3. 確かに,「こんな会社辞めてやる」とは言いましたが,私は感情的になっており,また所定の退職届も提出していないので,退職の意思表示をしたとはいえません。
  4. A社長の「雇用を続けるつもりはない」という発言は解雇といえますが,合理的理由はありません。
正解は①,正解率は10.95%でした。 まず,Xの「辞めてやる」との発言ですが,労働者が感情的になり,かつ,退職届を提出せずに口頭で「辞めてやる」と述べた本事例では,それをもって合意解約の申込みとまではいえませんので,選択肢3は正しいです。次に,仮に,「辞めてやる」との発言が合意解約の申込みであると理解したとしても,Xに錯誤や強迫・詐欺の事情があれば,その無効・取消を主張することができます。ただし,ミスに対する叱責だけでは強迫とまではいえないため,選択肢1が最も誤りであり,選択肢2は正しいです。
選択肢2・3により合意解約の効力が認められないと,A社長の発言は解雇となりますが,法的に効力のない「辞めてやる」との発言は合理的な解雇理由とはいえませんので,選択肢4は正しいです。

【総合問題1】事例を読んで,次のQ26,Q27に答えなさい。

事 例
Y会社の大阪支店には,正社員6名と契約社員A・Bのあわせて8名が所属しており,就業規則はありません。A・Bは,時給制でフルタイム勤務をしており,労働契約は1年ごとに更新されていました。しかし,Aの勤務年数が通算4年に達したとき,Y社は,能力不足を理由としてAを雇止めしました。そのため,AとBはX労働組合を結成して,Y社と団体交渉を始めました。

Q26団体交渉におけるX組合側のAの雇止めに関する主張について,法的に誤っているものをすべて選びなさい。
  1. 雇止めの理由は,退職してから14日以内に書面で示さなければならない。
  2. 契約更新の有無と,更新する場合の判断基準は,書面で明示しなければならない。
  3. 契約社員の雇止めにあたっては,正社員の解雇事由と同程度の合理的理由がなければならない。
  4. 更新に合理的期待がある場合には,期間満了のみを理由として雇止めはできない。
正解は①③,正解率は28.57%でした。 労基法22条1項は,労働者が退職し,退職の事由等について証明書を請求した場合,使用者は遅滞なくこれを交付しなければならないとしていますので,選択肢1は誤りです。有期雇用である場合,使用者は,期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項を書面で明示しなければなりません(労基法15条1項,労基則5条1項1号の2)ので,選択肢2は正しいです。
雇止めに解雇権濫用法理の類推適用が認められた場合は,期間満了のみを理由として雇止めをすることはできません。しかし,有期労働契約者の雇用継続に対する期待は正社員の長期雇用に対する期待とは相違するため,解雇ほど厳格には判断されません。選択肢3は誤り,選択肢4は正しいです。
Q27団体交渉におけるY会社側の契約社員の労働条件に関する主張について,法的に誤っているものをすべて選びなさい。
  1. 契約社員を社会保険に加入させる義務はない。
  2. 正社員に通勤手当を支給していても,契約社員には支給しなくてよい。
  3. 無期転換をした場合であっても,正社員と同様の給与を支払わなくてよい。
  4. 正社員と同様の年次有給休暇を,契約社員に付与する義務はない。
正解は①②④,正解率は32.86%でした。 契約社員などのいわゆる非正社員については,いわゆる「4分の3要件」等の一定の要件を満たす場合には,健康保険,厚生年金保険の被保険者に加入させなければなりませんので,選択肢1は誤りです。
有期契約と無期契約の労働者の労働条件には,業務の内容等の事情を考慮して不合理な差を設けることが禁止されます(労契法20条)。通勤手当,食堂の利用,安全の管理で差を設けることは,特段の理由がない限り許されませんので,選択肢2は誤りです。
無期転換をした場合の労働条件は,別段の定めが無い限りは,契約期間を除き従前と同一ですので,直ちに正社員同様の労働条件になるわけではありません。よって,選択肢3は正しいです。
年次有給休暇は,労働者の種別にかかわらず労基法により保障されています。Y会社の契約社員は週所定労働時間が30時間以上ですので,正社員と同様に年休が付与されなければなりません。よって,選択肢4は誤りです。

受検者データ(中級:2016年5月)

1.正答率

Q1 96.19% Q16 80.95%
Q2 92.38% Q17 62.86%
Q3 90.95% Q18 82.38%
Q4 87.14% Q19 69.05%
Q5 91.90% Q20 82.86%
Q6 63.33% Q21 94.29%
Q7 90.95% Q22 83.33%
Q8 84.76% Q23 77.62%
Q9 49.52% Q24 10.95%
Q10 83.33% Q25 78.10%
Q11 60.00% Q26 28.57%
Q12 59.52% Q27 32.86%
Q13 21.90% Q28 62.38%
Q14 68.57% Q29 52.86%
Q15 65.24% Q30 69.52%

2.合格者数・合格率

  受験者数 合格者 合格率
全 体 210名 117名 55.7%
北海道 45名 20名 44.4%
東 京 99名 59名 59.6%
大 阪 49名 31名 63.3%
福 岡 17名 7名 41.2%