初 級
合格発表(初級:2022年11月)
正解発表(初級:2022年11月)
解 答
Q1 | 2 | Q2 | 3 | Q3 | 2 | Q4 | 3 | Q5 | 3 | Q6 | 4 | Q7 | 1;2;4 | Q8 | 2 | Q9 | 1 | Q10 | 2 | Q11 | 2;3;4 | Q12 | 3 | Q13 | 2 | Q14 | 4 | Q15 | 2 | Q16 | 3 | Q17 | 3 | Q18 | 3 | Q19 | 2 | Q20 | 1;2 |
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解 説
2022年11月27日に実施した初級検定において、正答率が低かった問題について以下のとおり解説します。
今後の学習の参考としてください。
- Q3次のうち、憲法28条の労働基本権を保障している法律名として正しいものをひとつ選びなさい。
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- 労働契約法
- 労働組合法
- 労使関係法
- 労使共同決定法
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正解は2、正解率は40%でした。〔1=55%、3=4%、4=1%〕
本問では、憲法28条の労働基本権を保障している法律名が問われています。
憲法28条は、労働者の権利として、①団結する権利(団結権)、②使用者と団体交渉する権利(団体交渉権)、③ストライキなどの団体行動をする権利(団体行動権)を保障しています。そうした労働組合として活動する権利を保障しているのは、労働組合法です。2が正しいです。選択肢1の労働契約法を選んだ人が多かったですが、憲法28条の労働基本権を保障している法律名が問われていますので、誤りとなります。
- Q8賃金全額払いの原則について、正しいものをひとつ選びなさい。
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- 賃金債権の相殺は、使用者と労働者が合意しさえすれば、常に有効となる。
- 賃金債権の放棄は、労働者が自由な意思で放棄したものと認められる場合には、有効となる。
- 賃金全額払いの例外は、所得税等の源泉徴収のように法令に定めがある場合に限られる。
- ある月に支払い過ぎてしまった賃金の過払分を、使用者が一方的に控除することは、無条件で許される。
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正解は2、正解率は32%でした。〔3=56%、1=8%、4=4%〕
本問は、賃金全額払いの原則の理解を問うものです。誤った選択肢として3を選んだ方が多かったといえます。
全額払い原則の例外は、所得税の源泉徴収や社会保険料等の法令に別段の定めがある場合と、事業場の過半数代表者との書面による労使協定(賃金控除協定)に基づく場合の2つがあります。後者による賃金控除の典型例としては、組合費のチェックオフが挙げられます。賃金債権の放棄については、労働者の自由意思によることが明確な場合ならば有効となります(シンガー・ソーイング・メシーン事件・最二小判昭和48年1月19日)。
- Q12懲戒処分について、誤っているものをひとつ選びなさい。
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- 同種の行為に対する過去の処分例に比べて著しく重い懲戒処分をすることは許されない。
- 労働者の私生活上の非行について、周知された就業規則で懲戒事由として定められ、かつ、具体的に企業の名誉や信用を侵害している場合には、懲戒処分をすることも許される。
- 周知された就業規則で、懲戒の種類を「けん責、戒告、減給、懲戒解雇」と定めていた場合でも、懲戒解雇を回避する目的で諭旨解雇の懲戒処分ができる。
- 労働者に企業秩序違反行為があっても、周知された就業規則が定める懲戒事由に該当しなければ、懲戒処分をすることは許されない。
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正解(誤っているもの)は3、正解率は42%でした。〔4=49%、1=6%、2=3%〕
懲戒権濫用法理についての理解を確認する問題です。選択肢3が正解ですが、選択肢4を選んだ方が多かったです。
懲戒処分をするには、あらかじめ就業規則に懲戒の種別(種類)及び事由(理由)を明確に定めておく必要があります。このため、懲戒の種別を「けん責、戒告、減給、懲戒解雇」とだけしか定めていないのに、諭旨解雇の懲戒処分をすることはできず、選択肢3は誤りとなります。また、企業秩序違反行為があっても、あらかじめ定めていた懲戒の事由に該当しなければ、懲戒処分をすることは許されませんので、選択肢4は正しいです。
- Q20正当なストライキに対する使用者の対応について、誤っているものをすべて選びなさい。
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- 使用者は、正当なストライキを理由として、労働委員会にあっせん申請をすることはできない。
- 使用者は、正当なストライキを理由として、賃金をカットすることはできない。
- 使用者は、正当なストライキを理由として、労働組合に損害賠償請求をすることはできない。
- 使用者は、正当なストライキを理由として、参加者を処分することはできない。
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正解(誤っているもの)は1・2、正解率は48%でした。〔1のみ=11%、2のみ=8%など〕
トライキ権の特徴を考える基本的問題です。
使用者は、正当なストライキを理由として、労働組合に損害賠償請求をすることはできず、参加者を処分することはできないことは当然です。
他方、賃金カットは、ストライキに伴う不就労の割合に応じて許されます。また、労働委員会にあっせん申請をすることはできます。