WR検 ワークルール検定

検定結果・受検データ

中 級

合格発表(中級:2022年6月)

正解発表(中級:2022年6月)

解 答

Q1 2 Q2 4 Q3 2;3 Q4 1;4 Q5 2;3 Q6 3 Q7 3 Q8 4 Q9 4 Q10 3 Q11 3 Q12 2;3;4 Q13 1;2 Q14 1;2 Q15 3;4 Q16 1 Q17 3 Q18 2 Q19 3 Q20 1 Q21 4 Q22 3 Q23 1 Q24 4 Q25 3 Q26 4 Q27 4 Q28 4 Q29 1;3 Q30 1

解 説

2022年6月12日に実施した中級検定において,正答率が低かった問題について以下のとおり解説します。
今後の学習の参考としてください。

Q4賃金請求権の発生について,誤っているものをすべて選びなさい。
  1. 賃金は後払いが原則であるから,労働契約で賃金を先払いとする合意は無効である。
  2. 賃金の発生には,ノーワーク・ノーペイの原則が適用されるので,欠勤した場合の賃金支払いは義務づけられない。
  3. 労務提供を行っていても,それが使用者の指揮命令に反する場合には,賃金請求権は発生しない。
  4. 労働者が私傷病により従前どおりの働きができなくなった場合,賃金請求権が発生する余地はない。
正解(誤っているもの)は1・4,正解率は44%でした。〔1・3・4=19%,3・4=13%など〕
誤った解答として,1・3・4,3・4などが見られましたので,選択肢3について理解できていない方が多かったようです。賃金請求権が発生するためには,使用者の指揮命令に従った労務提供(これを「債務の本旨」に従った労務提供といいます。)がなされることが必要です。水道機工事件最高裁判決(最高裁判所昭和60年3月7日第一小法廷判決) は,出張・外勤業務を拒否して内勤のみに従事した事案において,労務の提供が「債務の本旨」に従った労務の提供をしたものとはいえないとして,使用者は賃金支払義務を負わないとしています。その他の選択肢についても簡単に解説すると,賃金は後払いが原則ですが(民法624条),賃金先払いの合意も有効です。労働者が労務を提供しないときは,原則として賃金支払義務は発生しません(ノーワーク・ノーペイの原則)。もっとも,その原因が私傷病による場合は,直ちに就労不能とみるのではなく,使用者には一定の配慮義務が課される場合があります。

Q13労働組合と,労基法上の過半数代表との異同について,正しいものをすべて選びなさい。
  1. 労働組合には争議権が保障されているが,過半数代表には争議権が保障されていない。
  2. 労働組合は労働協約を締結できるが,過半数代表は労働協約を締結できない。
  3. 労働組合も過半数代表も,不当労働行為制度によって保護されている
  4. 労働組合も過半数代表も,その結成・選出に使用者が関与する。
正解は1・2,正解率は33%でした。〔1・3=24%,2・3=13%,1・2・3=13%など〕
労働組合と,労働基準法上の過半数代表については,その正確な理解が重要です。1の争議権保障の有無や,2の労働協約締結の可否,4の結成等についての使用者の関与の有無については,正解が多くありました。しかし,3については,不当労働行為制度はあくまで労働組合運動を保護するものであって,過半数代表を対象としてはいません。もっとも,過半数代表者の行為については,労働基準法施行規則6条の2第3項で,不利益取扱いをしないようにと定められています。

Q14臨時組合費の徴収について,正しいものをすべて選びなさい。
  1. 臨時組合費の徴収には,組合規約上の根拠が必要である。
  2. 選挙活動応援のための強制徴収は許されない。
  3. ウクライナ支援のための強制徴収は許される。
  4. 臨時組合費を納入しないことを理由とする統制処分は許されない。
正解は1・2,正解率は21%でした。〔1・2・4=24%,1・2・3=23%など〕
組合費には,通常の組合費と,特定の目的のために徴収される臨時組合費とがあります。臨時組合費の徴収のためには,1のように組合規約上の根拠が必要です。ただし,その徴収目的との関連では,2の選挙活動応援や,3の政治的なものについては,個々の組合員の政治的自由を侵害するとして,強制徴収は許されません(国労広島地本事件最高裁判決(最高裁判所昭和50年11月28日第三小法廷判決),中級テキスト第5版194ページ)。任意のカンパは許されます。また,組合費納入義務は組合員の基本的な義務なので,臨時組合費であってもその未納は統制事由に当たります。

Q20フリーランスに関する先生と学生との会話を読んで,正しい発言をしている学生の組み合わせをひとつ選びなさい。
  • 先 生「フリーランスという働き方が話題になるようになったね。どのような働き方を選んでも社会的なセーフティーネットが得られるように制度を拡充していくことが求められていますが,フリーランスと雇用とでは,法的な取り扱いが大きく違います。どのような違いがあるでしょうか。」
  • 学生A「まず,雇用の場合,労働時間の制限や最低賃金の保護,解雇制限,労働安全衛生など,労働法上のさまざまな保護が与えられています。これに対して,雇用の形態をとらないフリーランスには,現状では労働法上の保護が適用されません。」
  • 学生B「フリーランスとして業務を行っていても,実質的に発注事業者の指揮命令を受けて仕事に従事していると判断される場合など,実態として「雇用」に該当する場合には,労働法が適用されます。」
  • 学生C「フリーランスは,失業給付などを定めた雇用保険制度に加入できます。労災保険など,仕事中にけがをして働けなくなった場合に公的な補償は受けられます。」
  • 学生D「フリーランスは,公的年金制度である国民年金にも加入できませんので,個人型確定拠出年金「iDeCo」(イデコ)や小規模企業共済などを利用して老後に備えたいところです。」
  1. 学生AとB
  2. 学生BとC
  3. 学生CとD
  4. 学生AとD
正解は1,正解率は44%でした。〔2=41%,3=6%,4=9%〕
学生AとBの発言が正しく,学生CとDの発言が誤りです。41%の方が学生BとCの発言を正しいとする2を選択していました。
学生Cの発言は誤りです。雇用保険は労働者のための保険ですので,基本的に,フリーランスや個人事業主は対象になりません。また,労災保険も労働者を対象とした制度であり,原則としてフリーランスなどの労働者以外の者は対象になりません。ただし,労災保険については,一人親方など,労働者に準じて保護することが適当であると認められる者には,特別に任意加入を認めています(特別加入制度)。
学生Dの発言も誤りです。フリーランスは国民年金に加入できます。ただし,フリーランスの方は,個人型確定拠出年金「iDeCo」(イデコ)や小規模企業共済などで老後に備えたい,という発言は,フリーランスで活動する場合には踏まえておくべき正しい観点といえます。

Q26労働契約の期間についての次の文章を読んで,下線部のうち,誤っている部分をひとつ選びなさい。
労働契約の期間の上限については,労働契約の期間が長期にわたると,労働者を不当に拘束する結果になるため,㋐労働基準法は労働契約の期間の上限を原則として3年とし,一定の者については例外的に5年としています。他方で,労働契約の期間の下限について,労基法は具体的に設けていませんので,㋑極端な場合には1日間のみの労働契約も可能とされています
労働契約の期間は重要な労働条件といえますので,使用者は,労働契約の締結の際に,有期雇用であることとその期間を明示しなければなりません。労働基準法施行規則では,㋒使用者は有期労働契約の締結に際し,更新の有無を明示すべきことが定められています。しかし,雇止めの効力は,解雇権濫用法理の類推適用によって,個別具体的な事情を踏まえて裁判所が判断する関係から,㋓更新にあたっての判断基準となる事項を明示することまでは定められておらず,有期契約労働者の保護に欠けるとの批判がされています
  1. 下線部㋐
  2. 下線部㋑
  3. 下線部㋒
  4. 下線部㋓
正解(誤っているもの)は4,正解率は34%でした。〔1=34%,2=16%,3=16%〕
有期労働契約と,労働契約の期間についての理解を問うものです。
有期労働契約の期間については,上限は原則として3年,一定の者については例外的に5年と定められていますが,下限は特に定められていないため,1と2(下線部㋐と㋑)は正しいです。
また,労働基準法施行規則では,使用者は,有期労働契約の締結に際し,更新の有無や,更新がありうる場合には更新するか否かの判断基準を明示すべきことが定められています。更新するか否かの判断基準の例としては,契約満了時の業務量,労働者の勤務成績・態度等が挙げられます。よって,3(下線部㋒)は正しく,4(下線部㋓)は誤っています。