WR検 ワークルール検定

検定結果・受検データ

中 級

合格発表(中級:2021年11月)

正解発表(中級:2021年11月)

解 答

Q1 3 Q2 4 Q3 3 Q4 4 Q5 3 Q6 4 Q7 2 Q8 3 Q9 1、2、4 Q10 2 Q11 2 Q12 3 Q13 4 Q14 3 Q15 3 Q16 3 Q17 2 Q18 3 Q19 3 Q20 2 Q21 3 Q22 2 Q23 3 Q24 1、3、4 Q25 1 Q26 1 Q27 2 Q28 3 Q29 4 Q30 4

解 説

2021年11月に実施した中級検定において,正答率が低かった問題について以下のとおり解説します。
今後の学習の参考としてください。

Q4退職金について,正しいものをひとつ選びなさい。
  1. 退職金には賃金の後払い的性格もあるので,就業規則(退職金規程)や労働契約に定めがなくても,一定の年数を勤務すれば必ず支給される。
  2. 退職金には賃金の後払い的性格もあるので,退職後ライバル会社に就職することを理由に退職金を一部減額して支給するという制限を設けることは許されない。
  3. 退職金には賃金の後払い的性格もあるので,自己都合退職か会社都合退職かで退職金額に差を設けることは許されない。
  4. 退職金には功労報償的性格もあるので,退職後に在職中の非違行為が判明した場合には,退職金を不支給とする,又は支給済み退職金の返還を求めるという規定を設けることは有効である。
正解は4,正解率は44%でした。〔1=0%,2=49%,3=7%〕
まず,前提として,退職金制度を設けるかどうかについて,使用者には裁量がありますので,一定の年数を勤務すると必ず退職金が支給されるわけではありません1は誤りです。
次に,退職金の功労報償的性格からすると,退職金制度を設けた場合でも,支給対象や支給条件をどうするかは,使用者の合理的な裁量に委ねられます。退職後競業他社に就職した場合は自己都合退職の場合の半額の退職金しか支給しないという条項の有効性について,裁判所は,退職金の功労報償的性格を根拠に,競業制限違反の退職者に対する退職金の減額条項を有効としました(三晃社事件・最高裁判所昭和52年8月9日第二小法廷判決)。よって,2は誤りですが,これを正しいと解答した方が多かったので注意しましょう。同様に,会社都合退職と自己都合退職とで退職金額に差を設けることも有効です。3は誤りです。
懲戒解雇の場合には退職金の減額・不支給条項が設けられていることが多く,その条項が有効となる場合には,支給済みの退職金の返還を求めることも可能です(前掲三晃社事件参照)。よって,4が正解となります。

Q9労働協約の効力について,正しいものをすべて選びなさい。
  1. 労使間の合意であっても,書面化されていなければ規範的効力は認められない。
  2. 労働協約によって,労働契約を不利に変更することができる。
  3. 労働協約と就業規則とで労働条件が相違している場合は,より有利なものが適用される。
  4. 労働協約は,非組合員に対しても拡張適用されることがある。
正解は1・2・4,正解率は39%でした。〔1・2=12%,1・4=10%など〕
使用者と労働組合が締結する労働協約は,書面化されなければ規範的効力が発生ぜず(労働組合法16条),原則として組合員にのみ適用されることとなりますが,一般的拘束力制度(同法17条)によって,非組合員にも適用されることがあります。よって,1,4は正しいです。
労働協約と,就業規則・労働契約との関係については,労働協約の拘束力が最も強く,同一事項については有利不利に関わりなく,就業規則,さらには労働契約にも優先します。したがって,2は正しく,3は誤りです。

Q19次のうち,有期契約労働者に雇用関係が継続されるという合理的な期待を生じさせる事情の個数として正しいものをひとつ選びなさい。
○ 正社員転換制度の説明をして,利用を促していること
○ 契約更新の回数が少ないこと
○ 契約更新に当たって特段査定等をしていないこと
○ 従事する業務が臨時的なものであること
○ 雇用の通算契約期間が長いこと
○ 契約更新に当たって労働契約書を作成していないこと
  1. 2個
  2. 3個
  3. 4個
  4. 5個
正解は3,正解率は42%でした。〔1=23%,2=30%,4=6%〕
雇用継続の期待が高くなる事情として,①正社員転換制度の説明をして,利用を促していること,②契約更新に当たって特段査定等をしていないこと,③雇用の通算契約期間が長いこと,④契約更新に当たって労働契約書を作成していないことが挙げられ,4個が正解となります。①は,雇用継続の期待を持たせる制度があるといえますし,②,④は,契約期間管理の状況から継続的に雇用されるという期待が高くなるからです。

Q20懲戒についての文章を読んで,この文章の下線部のうち,最も誤った内容を含むものをひとつ選びなさい。
出勤停止は,労働者に一定期間の出勤を禁じる処分です。㋐通常,出勤停止中の期間に対応する賃金は支払われません。出勤停止の期間は,企業や非違行為の態様によってさまざまですが,㋑30日を超える定めをしてはならないとの労基法の規定がありますので,注意が必要です。
懲戒処分の最も重いものが懲戒解雇です。㋒一般的には,解雇予告や予告手当の支払いなく即時に解雇され,退職金の全部又は一部が支給されません。また,懲戒解雇よりも若干軽い懲戒処分として,㋓労働者に退職届の提出を勧告して退職させる形式をとる諭旨解雇という処分もあります。諭旨解雇は,形式上は自主退職であるため,退職金が支給されるケースが多いといえます。
  1. 下線部㋐
  2. 下線部㋑
  3. 下線部㋒
  4. 下線部㋓
正解は2,正解率は51%でした。〔1=10%,3=33%,4=7%〕
使用者は就業規則により懲戒に関する定めを設けることができるところ,法律では,労基法91条による減給に対する制約と,労契法15条による懲戒権濫用法理の定めがあるのみです。出勤停止期間の上限は法律で特に定められていませんので,下線部㋑は誤りです。
出勤停止は,通常,出勤停止中の期間に対応する賃金は支払われません。また,懲戒解雇は,一般的には即時解雇であり,退職金の全部又は一部が支給されませんが(Q4の解説も参照してください。),使用者によっては,より軽い諭旨解雇処分を定めていることもあります。よって,下線部㋐,㋒,㋓は正しいです。

〔総合問題〕有期雇用契約の無期転換について,次のQ23,Q24に答えなさい。

Q23食品スーパーを経営するP社は,パート社員の無期契約化を検討しています。P社のパート社員A~Dのうち,現在,労契法19条に基づく無期転換権を行使することができる者の人数として,正しいものをひとつ選びなさい。
    Q23
  1. 1名
  2. 2名
  3. 3名
  4. 4名
正解は3,正解率は29%でした。〔1=6%,2=51%,4=13%〕
有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えた場合,通算5年を超える契約期間中から無期転換権を行使することができます。他方で,有期労働契約が1年以上の場合は,6か月以上のクーリング期間があると通算期間がリセットされます。
雇用期間が1年であるA,B,Cをみると,Aは通算5年超となる契約期間中といえます。Bは,2度,3か月の無契約期間がありますが,両方とも6か月以上のクーリング期間とはいえませんので(複数の無契約期間を通算することはしません。),Aと同様となります。Cには,6か月以上のクーリング期間があるので,最初の1年の契約期間がリセットされ,残りの契約期間を通算しても5年を超えません。
他方で,雇用期間が3年であるDについては,2回目の契約によって通算5年を超えます(中級テキスト第4版172ページの図イ参照)。
以上から,無期転換権を行使することができるのは,A,B,Dの3名となります。

Q24P社は,無期転換権を取得しているパート社員の人数を確認したうえで,パート社員の無期化を検討する会議を開催しました。会議における社員E~Hの次の発言のうち,法的に正しい内容のものをすべて選びなさい。
  • 社員E「正社員用の就業規則は,適用対象者について,『この就業規則は,期間の定めなく雇用されている社員に適用する。』とだけ定めているので,この定めを変更しないと,無期転換申込権を行使したパート社員にも,この正社員用の就業規則の労働条件が適用される可能性がありますよ。」
  • 社員F「新たに雇い入れるパート社員との間で取り交わす労働契約書に,労働契約法上の無期転換申込権は行使しない旨の条項を記載しておけば,パート社員が無期契約労働者になることはないですよ。」
  • 社員G「無期転換申込権は権利であって,必ず行使されるわけではないので,パート社員がずっと有期労働契約のままでいることもできますよ。」
  • 社員H「労働契約法上の無期転換申込制度とは別に,会社独自の正社員登用制度を設けて,優秀なパート社員は無期転換申込制度よりも短い年数で正社員登用することもできますよ。」
  1. 社員E
  2. 社員F
  3. 社員G
  4. 社員H
正解は1・3・4,正解率は44%でした。〔3・4=27%,1・4=11%など〕
社員Eの発言は正しいです。無期転換権を行使したパート社員は,就業規則が定める「期間の定めなく雇用されている社員」に該当する可能性があります。「期間の定めなく雇用されている社員」が正社員のみを意味する条項としたい場合は,例えば「無期転換権を行使した者を除く」等と定めて,無期転換権を行使した労働者に適用される条項又は別の就業規則を設けるべきです。
社員Fの発言は誤りです。通達は,あらかじめ無期転換権を放棄させることは無効となるとしています。
社員Gの発言は正しいです。無期転換権を行使するかどうかは,当該労働者の判断に委ねられていますので,これを行使せずに有期労働契約のままでいることも可能です。
社員Hの発言も正しいです。労働契約法上の無期転換制度よりも有利な正社員登用制度を設けることは禁止されていません。