検定結果・受検データ

中 級

合格発表(中級:2021年6月)

正解発表(中級:2021年6月)

解 答

Q1 1 Q2 3 Q3 2 Q4 3 Q5 1 Q6 2 Q7 1、2、3 Q8 4 Q9 1、2 Q10 3 Q11 3 Q12 2 Q13 3 Q14 3 Q15 4 Q16 2 Q17 3 Q18 3 Q19 3 Q20 2 Q21 4 Q22 1 Q23 1、2、3 Q24 2 Q25 2 Q26 3 Q27 4 Q28 3 Q29 1、2、3、4 Q30 3

正答率(%) 平均点 21.37点

Q1 87.35 Q2 82.21 Q3 85.38 Q4 71.54 Q5 72.33 Q6 51.78 Q7 35.97 Q8 87.35 Q9 60.08 Q10 88.14 Q11 64.82 Q12 96.84 Q13 87.35 Q14 77.87 Q15 96.44 Q16 90.91 Q17 98.02 Q18 59.68 Q19 87.75 Q20 71.15 Q21 67.59 Q22 17.00 Q23 51.78 Q24 40.71 Q25 46.25 Q26 81.03 Q27 93.28 Q28 71.54 Q29 27.27 Q30 87.35

解 説

2021年6月13日に実施した中級検定において,正答率が低かった問題について以下のとおり解説します。
今後の学習の参考としてください。

Q7無期労働契約への転換申込制度について,正しいものをすべて選びなさい。
  1. 有期労働契約の反復更新により通算5年を超えて継続雇用されている労働者が転換申込みをした場合,使用者はその申込みを承諾したものとみなされる。
  2. 有期労働契約の契約期間が1年である場合,転換申込制度におけるクーリング期間は6か月である。
  3. 無期労働契約となった際の労働条件は,別段の定めがなければ,契約期間を除き有期労働契約におけるものと同一である。
  4. 使用者が,労働者の同意に基づき,転換申込権をあらかじめ放棄させることは有効である。
正解は1・2・3,正解率は36%でした。
有期労働契約者の無期労働契約への転換申込制度の理解を問うものです。
有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えた労働者は,無期労働契約への転換申込権を取得します。有期労働契約の契約期間が1年以上で,クーリング期間が6か月以上のときは,通算期間がリセットされます。よって,1・2は正しいです。他方で,通達により,使用者が労働者が転換申込権を行使しないよう予め放棄をさせることは,無効になると定めています。4は誤りです。
無期労働契約となった際の労働条件は,別段の定めがない限り,契約期間を除き従前と同一とされます。3は正しいです。

Q22有期労働契約の雇止めに関する次の事例を読んで,下線部のうち,労働者Xに雇用関係が継続されるという合理的な期待を生じさせる事情とはいえないものをひとつ選びなさい。
事 例
Xは,Y社との間で,パートタイム労働者として6か月の有期労働契約を締結しました。入社の際には,雇用期間が6か月と明記された雇用契約書にサインをしました。㋐その後も,更新の都度,同様の雇用契約書を取り交わしていましたが,㋑ときどき契約期間が過ぎてから雇用契約書を取り交わすこともありました。雇用契約書の取り交わしの際,㋒A社長からは,「契約を更新するから,契約書をよく読んでおいてね。最低賃金額が上がったから時給は少し上げておいたからね。」と言われるだけでした㋓契約の更新が繰り返されて10年経過したところ,突然,A社長から「次の契約期間の満了で契約を打ち切る。」と言われました。
  1. 下線部㋐
  2. 下線部㋑
  3. 下線部㋒
  4. 下線部㋓
正解は1,正解率は17%でした。
雇止めに解雇権濫用法理が類推適用される(労契法19条2号)に当たって,労働者に合理的な期待があるかどうかは,当該雇用の臨時性・常用性,更新の回数,雇用の通算期間,契約期間管理の状況等の事情によって総合的に評価されます。
契約期間管理の状況については,契約更新に当たって労働契約書が作成されていない,契約更新後に労働契約書が作成されるなどルーズである,あるいは,契約更新に当たって特段査定等をしていない等の事情があれば,雇用継続の期待は高くなります。下線部㋐は雇用継続の期待が低くなる事情ですので,1が正解となります。下線部㋑は,契約更新後に契約書を作成している点でルーズといえます。また,下線部㋒は,契約書の説明をせず,個々の労働者の査定もせずに,最低賃金額の上昇のみを理由として時給を上げたにすぎません。下線部㋑・㋒は,それぞれ雇用継続の期待が高くなる事情といえます。そして,下線部㋓の通算期間が10年であることは,更新の回数が多いといえ,雇用継続の期待が高くなります。

〔総合問題1〕事例を読んで,次のQ23~Q25に答えなさい。
事 例
Y社にヘッドハンティングされ,P支店の支店長として勤務をはじめたXは,入社早々,営業成績の悪い部下Cに対し,P支店の営業部員全員の前で,「どうして売上げが伸びないんだ! この給料泥棒!」,「真面目にやっているのか? やる気がないなら会社を辞めるべきじゃないのか?」などと,毎日のように怒鳴り散らしていました。その結果,Cは精神疾患を発症して出社できなくなり,休職を余儀なくされました。そして,P支店全体の士気も上がらず,売上げも伸びません。

Q24X支店長は,懲罰委員会の決定によって懲戒処分を受けた後も何ら反省をしていない様子であったため,B部長は,X支店長が新たなパワー・ハラスメントをする前に会社を辞めてもらった方がよいと考え,独断で退職勧奨をしました。これに対するX支店長の発言の下線部のうち,法的に最も誤った内容を含む部分をひとつ選びなさい。
  • B部長「あなたは懲戒処分を受けたのに反省していないので,上層部では懲戒解雇をすべきではないか,という意見がありますよ。自分から身を引いた方がよいのではないのですか。懲戒解雇されたら,退職金ももらえませんよ。自己都合で辞めてもらえるのであれば,退職金を全額支払うことを約束しますよ。」
  • X支店長㋔Cさんへのパワハラを理由に懲戒処分を受けていて,それを反省していないからといって,再度同じ理由で懲戒処分をすること自体違法だし,㋕同じ理由で退職勧奨をすることだって違法ですよ。それに,私は退職するつもりはありませんので,㋖あまりにしつこく退職勧奨をするのであれば,慰謝料請求が認められる場合もありますよ
    だいたい,本当に懲戒解雇されるんですか? ㋗その話を信用して退職しても,それが嘘だったら,退職したことの効力を争うこともできますからね
  1. 下線部㋔
  2. 下線部㋕
  3. 下線部㋖
  4. 下線部㋗
正解(誤っているもの)は2,正解率は41%でした。
懲戒処分と退職についての理解を問うものです。懲戒処分は,同じ理由で2回以上することは許されない(二重処分の禁止)ことから,下線部㋔は正しいです。他方で,退職勧奨は,これによってただちに一定の法的効果が発生するわけではないことから,懲戒処分をした上で退職勧奨をすることも許されます。下線部㋕は最も誤った内容を含んでいるといえ,2が正解となります。
社会的相当性を逸脱する態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為は不法行為となる可能性がありますので,下線部㋖は正しいです。また,労働者が合意解約をするに当たって,使用者から虚偽の事実を告げられて錯誤に陥っていたり,詐欺といえる場合には,これを取り消すことが可能ですので,下線部㋗も正しいです。

Q25B部長が懸念していたとおり,X支店長は別の部下Dにパワー・ハラスメントを繰り返したため,A社長とB部長は,X支店長の処遇について相談しています。B部長の発言の下線部のうち,法的に最も誤った内容を含む部分をひとつ選びなさい。
  • A社長「X支店長を別の支店に転勤させたり,営業部以外の部署に配転するということは可能だろうか。」
  • B部長㋘X支店長は,職種と勤務場所を決めて採用しているわけではありませんので,配転によって通常甘受しがたい不利益が生じないのであれば,一方的に配転をすることも可能です。つまり,職種や勤務場所によっては,X次長を配転させることができます。」
  • A社長「では,関連会社に出向させることはどうだろうか。」
  • B部長「出向は,本来の使用者とは異なる第三者の指揮命令のもとで就労させるものですので,㋙就業規則の定めがあったとしても,出向をする際には,必ず労働者の個別的な同意が必要になります。X支店長に打診して断られたら,出向させることはできません。」
  • A社長「解雇することは難しいのだろうか。」
  • B部長「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,権利の濫用として無効とされます。㋚社員としての適格性の欠如を理由に解雇をしようとする場合,適格性の欠如の程度が著しいことと,改善の機会が与えられていることが必要とされます
    ㋛管理職のように,地位や職種を特定して中途採用したけれど,想定していた適格性を有していなかった場合,裁判例は合理的な理由の有無を緩やかに判断する傾向があります。Xは管理職とするためにヘッドハンティングしたので,この場合にあたると思います。」
  1. 下線部㋘
  2. 下線部㋙
  3. 下線部㋚
  4. 下線部㋛
正解(誤っているもの)は2,正解率は46%でした。
出向について,判例は,就業規則上に根拠規定があり,出向先での賃金や出向期間,復帰の仕方等に関して労働者の利益を配慮して規定されているケースにおいて,労働者の個別同意なしに出向を命じることができると判断しています。就業規則の定めがあっても,必ず労働者の個別的な同意が必要とする下線部㋙は,法的に最も誤った内容を含むものといえ,2が正解となります。
他方で,職種や勤務地を限定する合意がない場合,就業規則や労働協約上の配転条項があれば,配転によって通常甘受しがたい不利益が生じないのであれば,配転命令は権利の濫用とはなりませんので,下線部㋘は正しいです。解雇権濫用法理に関する下線部㋚・㋛もそれぞれ正しいといえます。

〔総合問題2〕事例を読んで,従業員の行動に関する次のQ26~Q30に答えなさい。
事 例
労働組合がないY社において,昼休みに,経営悪化のため会社は賃下げやリストラを考えている旨の掲示が出されました。そこで,従業員A・B・C・Dの4名は,それぞれ次のような行動をとりました。

  • ㋐従業員Aは,外部のコミュニティ・ユニオンへ相談に行きました。
  • ㋑従業員Bは,会社のやり方に憤慨し,個人的に午後の仕事をさぼりました。
  • ㋒従業員Cは,従業員で労働組合を結成する必要があるとしてX組合を結成し,X組合は,Y社に対して団交を要求しました。
  • ㋓従業員Dは,昼休みに掲示が出る前から,使用者と連携して独自の労働組合を結成しようとしていました。

Q29その後〔※注―㋒の後〕,X組合は,Y社に対して団交を要求しました。次の団交要求項目のうち,義務的交渉事項とみなされるものをすべて選びなさい。
  1. ユニオン・ショップ協定の締結
  2. 不当労働行為の中止
  3. 従業員Cの転勤の撤回
  4. 団交ルールの確立
正解は1・2・3・4,正解率は27%でした。
義務的交渉事項には,労働時間や賃金等の労働条件,組合掲示板貸与やユニオン・ショップ,チェック・オフ等の労使間ルールなどが広く含まれます。1のユニオン・ショップが義務的交渉事項に当たらないという誤答が全体の半数近くにのぼりました。実際にユニオン・ショップ協定が締結されるかは労使の交渉次第ですが,義務的交渉事項にはなります。