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浜村 彰(法政大学名誉教授)
最近まで大学の法学部で労働法を教えていましたが、法学部の場合ですらも、卒業生の多くは労働法のルールをほとんど知らぬまま、社会に飛び込んで行きます。運良くホワイトな会社や国・自治体に就職した場合はともかく、大手でもブラックな企業に入ってしまったときは、人一倍の苦痛や屈辱と社会の理不尽さに押し潰されて人生に失望することになりかねません。それなりに労働法を学んだはずの私のゼミOBの中ですら、もっと労働法を真面目に勉強しておけばよかったと後悔する卒業生がいないわけではありません。
そこで、このワークルール検定が始まってから、ゼミの4年生にワークルール検定初級の問題を解かして、ゼミグループ毎に解答の発表とその説明をしてもらい、討議をする機会を設けてきました。ゼミ生はとても楽しそうにわいわい相談して、テキストを再読したりしながら問題に取り組んでいましたし、とても勉強になって不安が少し解消したといってました。ワークルールは、知らないで得することはまずありませんし、知っていて損することもありませんから、是非、すでに働いている方々も、これを機会に学び直してほしいと思います。