WR検 ワークルール検定

啓発推進委員からのメッセージ

  • 東 明洋(全国社会保険労務士会連合会専務理事)

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    「肉は切り取っても良いが、契約書にない血を一滴でも流せば、契約違反として全財産を没収する。」
    ご存じ、シェイクスピア作「ヴェニスの商人」、その作中において裁判官に扮したポーシャが発した台詞である。
    この戯曲については、過去においてはドイツの法学者イェーリングもそうであったが、今日でも法学的見地から検証する試みが続いている。
    契約は公序良俗に反していて、そもそも無効ではないか、肉とは血も一体となって生成されているもので主物と従物という概念は成立しないのではないか、法学生が裁判長を務められるのか、官命詐称ではないか等々。
    筆者が言及したいのは、この点ではなく、いわゆるZ世代といわれる10人程の男女と話したときに、「ヴェニスの商人」作品自体について、ほとんどの者が知らなかったことである。隔世の感有之、昭和世代は忘却の彼方になりにけり。
    なお、「走れメロス」は「端折れメロス」のパロディで知名度は高かった。
    世の中の皆が知っているであろうと早合点すると、大怪我をすると肝に銘じたところである。
    昨今、某百貨店労組のスト権確立投票や、過酷な労働環境が社会に曝された事業等が世情をにぎわせているが、こういう時世だからこそ関係者全員が共有するワークルールになることが期待される。
    「知らなかった」と誰一人にも言わせない、ワークルール!!