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石田 眞(早稲田大学名誉教授)
私は、早稲田大学で労働法を教えておりました。ワークルールに関しては、毎年、道幸先生が書かれた『15歳のワークルール』という大変良い本を法学部の労働法ゼミの学生に読ませて感想文を書かせていました。学生達は、自分のやっているアルバイトの労働条件について、道幸先生の書かれているワークルールに照らして問題点を探り出すことになりますが、学生達は驚くほどワークルールについて知りません。
そこで、ワークルール検定が始まったと聞き、ゼミの学生に問題をやらせてみたのですが、労働法のゼミであるにもかかわらず、出来はそれほど良くありませんでした。特に問題だと思ったのは、ある問題の答えが正しかったとしても、その答えがなぜ正しいのを聞いてみると、その理由をうまく説明できないというのが実情です。ですので、ワークルール検定に関しては、何問正解したのかだけでなく、なぜある選択肢が正しくて、他の選択肢が間違っているのかをじっくり考えさせると、同検定も労働法の勉強の大変良い素材になると思っております。