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労基法などの改正の動きと出題内容 ワークルール検定協会会長 島田陽一

2026年の労働法などの改正が出題内容に影響するのか、というお問い合わせをいただいております。
ワークルール検定協会会長 島田陽一のコメントを note で公開しております(2026年2月4日付)。
下記にも記載しますので、ご確認をよろしくお願いいたします。
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 2025年1月8日に公表された「労働基準関係法制研究会報告書」は、「労働基準関係法制が果たすべき役割を再検討し、労働基準関係法制の将来像について抜本的な検討を行う時期に来ている」との時代認識から、具体的には①労基法の労働者概念の再検討、②労基法の適用単位である「事業」概念の再検討、③労使コミュケーションの在り方、④労働時間法制の見直し、という4つの課題を提示した。
 これらの課題のうち、①と②は、より専門的な検討の機会を持つこととなり、立法による手当は少しに先になる。これに対し、③と④は、当面の立法課題と位置付けられている。当初の見込みでは、今年の通常国会に法案が上程されると言われていたが、現在の政治状況の中で、法案の提出は、2027年の通常国会と想定されている。
 ここでは、③労使コミュケーションの在り方、および④労働時間法制の見直しの内容を紹介しておこう。
 ③労使コミュケーションの在り方では、過半数組合がない事業場における過半数代表者の選出方法が改正されることになる。過半数代表者は、36協定の締結、裁量労働制の導入に関する協定の締結や就業規則の制定・改正における意見聴取というような重要な役割を果たすにもかかわらず、その選出方法は、労基法施行規則により、徐々に整備されてきたが、極めて不十分であった。今回の改正では、過半数代表者は、労働者が主体となって選出することを前提にして、そのために使用者が必要な便宜を図ることなどの制度設計が考えられている。すなわち、有権者名簿とその連絡先の提供や、有権者に対する連絡手段としてイントラネットの利用を認める、あるいは、過半数代表者の意見集約のための有給の活動時間の保障などが想定されているようである。また、過半数代表者を任期制とすることを容認し、さらに、複数の過半数代表者の選出も許容するとされている。このような過半数代表者の選出方法の改善は、労使コミュケーションの充実化の第1歩となることが期待されている。
 ④労働時間法制の見直しでは、在宅勤務においてフレックスタイム制を認める改正が予定されている。これは、就業時間のすべてではなく、一部分でもフレックスタイム制(部分フレックスタイム制)を認めるというものである。また、副業・兼業先の労働時間を割増賃金の計算からは除外することになる。
 労働時間法制については、労働基準関係法制研究会報告書では掲げられていないが、高市首相からの要請で「健康維持を前提として、より多く働きたい労働者の希望をかなえる制度の導入」が課題となった。さすがに、2018年に設定されたばかりの時間外労働の上限を緩和することはないと思うが、裁量労働の導入要件の緩和が議論になるであろう。今後の議論を見守りたい。
 なお、ワークルール検定試験では、テキストを前提として出題しており、例えば、今年は、労災保険法改正などからは出題しないので、受検希望者はその点を心配しないで準備して欲しい。

日本ワークルール検定協会会長、早稲田大学名誉教授、弁護士
島田陽一