WR検 ワークルール検定

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2026春検定 <初級><中級>の解説

2026年春のワークルール検定で、正答率の低かった設問の解説です。
ぜひ、今後の学習にお役立てください。

初級
問9
正解は2、正解率は38%でした。
1は、初級テキスト図表にもあるとおり、派遣労働者に業務の指示(指揮命令)を出すのは、雇用主である派遣元ではなく、実際に働く企業である派遣先ですので、誤りです。
2は、雇用が不安定になりやすいことなどから、日雇派遣(30日以内の短期の派遣)は原則として禁止されていますので、これが正しい選択肢です。
3は、同じ事業所に派遣労働者を受け入れられる期間は、原則1年ではなく3年までですので、誤りです。
4は、派遣労働者が労働契約を結ぶ相手は、派遣先ではなく派遣元ですので、誤りです。

問14
正解は1、正解率は36%でした。
労災保険給付の内容に関する基礎知識を問う問題です。
1が正しい選択肢になります。
2を誤って選択した方が多かったですが、労災休業補償給付は給付基礎日額の3分の2ではなく、「100分の60」が給付されますので、誤りです(なお、「3分の2」は傷病手当金の算定において用いられますので、混同した方が多かったのかもしれません。)。
3は、我が国では、労災補償給付を受給した被災労働者が、事業者に対して民事損害賠償請求をすることを禁じていませんので、誤りです。
4は、労災療養補償給付を受給する労働者が、病院等の診療機関に一部負担金を支払う必要はありませんので、誤りです。

問20
正解は4、正解率は40%でした。
労働条件の明示に関連した出題でしたが、難易度が高かったようです。
労働契約は、労働者と使用者の合意があれば口頭による場合でも有効に成立しますので、1は正しいです。
労基法は、使用者に対して労働条件の明示を義務づけており、特に重要な労働条件は書面で明示する必要がありますので、2も正しいです。加えて、短時間・有期雇用労働者に対しては、昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口の4つの事項についても明示することが義務づけられていますので、3も正しいです。
誤り(正解)は4です。使用者が書面による労働条件の明示義務に違反した場合であっても、労働契約そのものは有効に成立します。労働契約は労使の合意のみで成立する契約であり、書面の作成は契約の成立要件とはされていない、というところが本問のポイントになります。

問25
正解は3、正解率は22%でした。
労基法3条は、「国籍」「信条」「社会的身分」を理由とする雇用差別を禁止しています。「信条」とは、思想や信念などの人の内面的精神活動を指し、「社会的身分」とは、生来的な分類(人種、門地など)と、本人の意思によって変更することができない後天的な分類(受刑者など)を指します。したがって、1・2は正しいです。
均等法8条は、男女平等の実質的な実現の観点から、一定の条件の下で女性を男性よりも優遇する措置を認めているため、3は誤りです。
他方、4は正しいです。均等法5条は、募集・採用における男女間の均等な機会の付与を求めています。妊娠していないことを採用条件にすることは、女性の採用機会を制限するものであり、許されません。

中級
問15
正解は1・4、正解率は47%でした。
日本では、民間企業の労働者の退職時に退職金の支払いを義務付ける法律は存在しませんので、1は誤りです。
会社都合、自己都合などの退職理由によって退職金額に差を設けることは、一般的に広く行われています。特に差別的な規定などでない限り、そのような差を設けることも有効ですので、2は正しい選択肢です。
判例は、退職金は賃金後払的性格を有するとして、仮に就業規則などにおいて懲戒解雇などの場合の退職金不支給が規定されていたとしても、直ちに全ての不支給措置が是認されるわけではないとする一方で、永年の勤続の功を抹消するほどの場合においては退職金を不支給とすることも是認しています。よって、3は正しい選択肢です。
判例は、退職金には賃金後払的性格のほか、功労報奨的性格や、場合によっては退職後の生活保障の性格をも有するとしていますので、4は誤りです。

問17
正解は2・3・4、正解率は42%でした。
36協定の法的性質や締結要件、上限規制について問う問題です。
複数選択のためか、難易度が高かったようです。誤答の分布を見ると、正しい記述である2の「労働契約上の根拠が別途必要」、3の「民主的手続を経ない過半数代表者は無効」、4の「特別条項でも複数月平均80時間以内等の制限がある」のいずれかを落としてしまったり、誤りである1「締結主体を使用者が自由に選べる」を排除しきれなかったりする傾向が見られました。
36協定の本質(法定労働時間規制を解除することで刑事罰を免れる効力を持つのみであること)や、過半数代表における過半数労働組合の優越的立場、過半数代表者の選任要件、罰則付き上限規制は実務上も極めて重要ですので、丁寧な復習が望まれます。

問22
正解は3、正解率は62%でした。
1は、有期労働契約を締結する理由に法律上の制限はなく、繁忙期対応を理由とすることに何ら問題はありませんので、正しいです。
2は、期間満了後もAが勤務を続け、Y社が異議を述べなかったため、民法上、従前と同一条件で契約が更新(これを「黙示の更新」といいます。)されたものと推定されますので、正しいです。
3は、有期労働契約の期間には原則3年という上限はありますが、下限の規制はありません。Bとの1か月契約も適法ですので、誤りであり、これが本問の正解です。2か月という数字を法定基準と誤認しないよう注意しましょう。
4は、有期労働契約は原則として期間の途中で解除できず、労使のいずれからも、やむを得ない事情がある場合に限って解除が認められますので、正しいです。

問26
正解は1、正解率は29%でした。
1は、同じ事業所に派遣労働者を受け入れられる期間と延長できる条件に関する説明として正しい内容です。
2は、派遣期間の制限は、派遣元と無期雇用契約を結んでいる労働者や60歳以上の労働者には適用されませんので、誤りです。
3は、派遣先が違法派遣と知らず、かつ、過失もない場合は、労働契約申込みみなし制度は適用されませんので、誤りです。
4は、派遣元は、派遣先への直接雇用の依頼や、自ら無期雇用へ転換するなどの雇用安定措置を講じる義務がありますので、誤りです。

問30
正解は2・4、正解率は28%でした。
1は、通達では、有期労働契約の雇止めの場合であっても、更新反復や通算契約期間の状況次第では解雇予告が必要としていますので、誤りです。
2・3は、天災事変その他やむを得ない理由で事業継続が不可能となった場合や、労働者側に重大な責任がある場合には、労基署の認定(これを「除外認定」といいます。)を条件として、予告なしに直ちに解雇する即時解雇が認められていますので、2は正しく、3は誤りです。検定では、3を正しいと解答した方が多かったですが、労働者側に重大な責任が認められる場合であっても、労基署の除外認定を受ける必要があることに留意が必要です。
4は、中級テキスト図表にもあるとおり、解雇予告手当を支払った日数に応じて予告の日数を短縮することができますので、正しいです。